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自転車で下る坂道、雨の道。緩やかに転ける。子を乗せたまま
前かごの自転車カバー飛び出して道の真ん中 細い雨降る
後部座席カバーの中で声がする。縺れるような娘の声だ
ばっとそのまま出してやりたいけど無理でがっと自転車起こして開ける
血はないし泣いてはいない。でも怖い。でも怖いのは娘の方だろ
大丈夫か、ここ痛い、グーチョキパー出来るか出来たな、頭はどうや
レインコートの臭ささのままに抱きしめて頭の中には言い訳がある
様子見の気持ちもあって坂道を歩かせ自分は自転車を押す
自転車の重量感が情けない。ブリヂストンのええやつだけど
母親に告げねばならず。下手したら伏せ字にしておくべきようなこと
夕食は冷しゃぶ。デザートに桃のゼリーとカステラをやる
水筒のパッキン忘れていたと言う。それも自分がやらかしたこと
虫の音とバス走り行く気配との混沌に見るなくした物を
綴じ紐が穴に通っているような 玄関先に娘を抱きあげて
三十を数えて家に入ろうか 数えだす口、娘は手で塞ぐ
「ロウソクがふたつあるね」と言う娘。燃える二つのその間、それから少し奥へゆき少し下がってその箱を開いてみれば草野原。裸足でゆけば青草の命の水が沁みてきて申し訳なく心地よく何千回も満ち欠ける月を見ながら眠るのも忘れて歩き続けるといつのまにやら赤土の荒れ地にとんと切り株が現れていて対峙する。
いま何もかもバレている。
羊になって駆け回る。毛刈りをされて血がながれついでに死ねと言われたら
今度は寿司屋になっている。あそこの鮨はあたるぞと言われる寿司屋になっている
父遠くあるいは抱えきれなくて自分の活けた花を見ている
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