[PR]
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
・春の夜はたった二枚の紙芝居 君のまぶたはもう落ちている
・「頑張ったご褒美だよ」とおじさんが一万年をくれる夕暮れ
・戦前の写真の犬は祖父よりもとうに居なくなってて八月
・一年に一文字だけをつぶやいてタイムラインに結う相聞歌
進入をそう拒むでもない柵を越えれば青い夜景広がる
何をしに来たかと尋ねられたなら「お前の花火に火を付けに来た」
火薬なき手持ち花火を日本語で棒と呼ぶそう 棒を燃やした
雨あがり清しい夜の公園の光る軌跡はうんこの形
なかなかに点かない火だね 危うげに風の速さを手で遮って
なんとなく羊の後をついてゆく羊のように駅へと向かう
踏切の開かないわけを知らされず明滅し続けるウィンカー
恐らくは命のための遠周りこの一本道よ夢で終わるな
・そこ、そこ、と言われて終える真昼間の無料案内所への配達
・約束があるからやっていけるのだ帝國書院の地図帳を出す
・隠れてもきっと見つける絵葉書のスワローテイルフライキャッチャー
・責任の所在は成層圏でいい 警備会社の人と挨拶
・苦しみが去りゆくことが幸福か四人で立てるカンタンテント
・俺よりも追い詰められた人の愚痴 輪ゴムで束ねながら聞くのは
・剥きだしの人間の顔した人がここを開けろと手振りで示す
・配線を治す脚立のてっぺんは意見の出ない学級会だ
・怒ること手放してのち怒る人見れば鈴虫鳴くよう世界
・永遠に終わらぬような心地して不燃/可燃を分けつづけてる
・草原の大樹のようだ焼き鳥を串から箸で外してる君
・タリーズに生身の僕は立ち尽くす機械の星の夜にのまれて
・最後列の真ん中あたりへ進みゆく若干ひとの鞄を踏んで
・地には足、椅子には尻がついている。けれども浮いている後頭部
・現実は何処にあるのか夢は何処にあるのか たぶん同じ質問
・あの曲は最後になってかかりだす 鴎!そこに居たのか、みたいに
・語り合うふたりを前に滞る唇たちは並んで歩く
・停止した動く歩道の傍らをゆけばもつれる足と意識は
・もう一度ひとりで来いと言われたら難しそうな店で飲む酒
・天井のあらわをふっと見上げてはさりげなく明かり消す店長
・柑橘が好きだと知ればオレンジやレモンに声を感じてしまう
・昨日手にしていた白い薔薇がいま夢に咲くごとメールに咲きぬ
・ほんものの僕はさなぎではないか人間の夢盗み見をする
短冊に
・ほどほどに努力をすれば相当な幸せ者になれますように
・「情熱大陸に出られますように」高めの枝の青い短冊
・胸に伏せ置かれることを開いたら普通。普通が美しいこと
・夕闇の大波小波ひとなみにあふれて帰る空に星ひとつ
*
中は生ですから体調が悪い方にはおすすめしません、と言われたが大丈夫ですと答える。
元気な方におすすめです、と何時か誰かに聞いて欲しい
01 | 2025/02 | 03 |
S | M | T | W | T | F | S |
---|---|---|---|---|---|---|
1 | ||||||
2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 |
9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15 |
16 | 17 | 18 | 19 | 20 | 21 | 22 |
23 | 24 | 25 | 26 | 27 | 28 |