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2012 2/12
・意味を追い意義から逃げる我のいて練習する子供より大きなよさこいの旗
・下町の不二家の店のおばさんと目があう星と星との距離で
・ガラス戸のあなたに映りこむ雲に重なる我も雲でありたし
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2012 2/11
・労働者の手である我を思い知る兄と向き合いグラスを置けば
・兄はよく火を通す人。焼けてゆく肉の向こうの季節の違い
・明日が来ることが怖くて風がふと教えてくれる身体の形
2012 2/10
・三千と六百年で長針がひとめぐりする時計の二分
・手帳へと生まれ変わった僕を書き終えてやさしく閉じてくれる手
・うれしくて蔓のみどりは伸びてゆく淡い触覚打ちふるわせて
よく分からない
玉ねぎの傷みはじめた向こう側みたいな冬に書くことが怖い
紙の白、液晶の白、その中に半月形の目が笑うのだ
悲観してみせたところで履いてきた靴の中から豆がでてくる
表札のない家にゆく夢をみるようにくずれた空きプランター
留守電に不在を告げて声をだす自分の顔を這い上がる蔓
ここ一年時おり胸の中軋むうずらの卵大の疑問符
夜はぷちぷちケータイ短歌 （2012-1/29）
カレンダーを斜めに走る暮らしにて何度もダメなボールペンとる
(「カレンダー」 だいたひかるさん選 放送外）
＊
書けないよ、と思えばさっさと芯を代えるなりすればいいのですが「とりあえず……」と戻してしまうわけです。それでまた使う折にそれをつかんでしまう。
おかしなキャッチアンドリリースを繰り返したところでペンはでないまま。
粗く暮らしているうちに色々取り残されてしまいそうです。