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蓮ひとつ咲いて朝日は立ち枯れたメロンの蔓の実の肌を射す
シェパードやレトリバーの腹の毛を尖らす泥の重さを思う
凍らせたお茶がだんだん溶けてゆく 水色×白はお供えの色
*
再開しました。さっそく読んでくださった方ありがとうございました。
押し開く扉がきゅんと鳴きました。雨の予報のはずれた朝に
働きに来る人たちを飲み込んで商業ビルはげっぷをしない
行き過ぎに気付けば届く君からのメールに返事しないのは意地
難色を示されているトイレットの百葉箱のような扉に
なんかこう全体的に平たいと考えながら買うアイスティー
なんかこうずれているなと考える。真逆の意味でとらわれて夏
*
はみ出した羽毛のように浮かんでる親の顔して物を言うとき
肉詰めに肉詰めすぎることなかれ 夏は終わりを知らないように
過ぎてゆく今を愛おしむ人の下世話で哲学的なテーブル
話せれば何の荷物もなくていいブルーのシャツをぺろんと出して
日が沈むとても沈むと目に見れば網膜深く日は沈みゆく
おっぱいの隠れてしまわないうちは譲歩する余地あっただろうか
大切なものを確かめ合いましょう今日が昨日にならないうちに
*
ホールから出れば眩しい街並みで剥かれたみかんの気持ちで歩く
沸き狂う気配はあるが見当たらず 頭の中のコンロのヤカン
掃除機をいつまでかける気だババア ババアは内耳二丁目に住むか
寝返りをうつつかの間は鳴り止んだかもしれないと天井を見る
蝉がいると言う人もいて連帯感生じて楽になりそうもない
跳び箱にぶつかりそうなあの感じ 月の終わりはいつも失速
テーブルの上から記憶中枢へ証明写真のあなたを盗む
ひとりでもいいが待ってもいて欲しい氷雨のむこう春の手前に
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