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・時計がない、鍵忘れたと往復を繰り返すうちにみな起きてゆく
・「飲みに行くか!」ひっつめ髪が響かせる歓楽街の朝の一声
・年上のひとを待ってる。空を限るものの少ない北鎌倉で
・円覚寺 玉紫陽花を指差して見えないものも綻びてゆく
・色即是空空即是色。僕たちは蝉の居場所を探しやまない
・広々とした境内に黒豆のような学生てんてんと落つ
・この夏の最後の蓮の花が咲く色の褪せない唐門の前
・書き付ける句稿覗けば拒まれて柔らかに添う裸足は床に
・「結婚を僕とする子はかわいそう」 風を頭上に下る坂道
・彫刻はイタチかリスかさ緑の葡萄とあればリスかと想う
・御神籤は末吉「がつがつしなさんな。まあ落ち着いて待ってろ」と言う
・鳩の巣に飛び込む。薔薇の一冊を見つけて開く手を持つ人と
・鎌倉の駅は私のさよならを容易く溶かす雑踏のうち
・周到や強引、狡猾、そういった言葉が巡る かなわないこと
・この夏で一番さみしい場所である。一人で開けるコインロッカー
・要するに背伸びしている牛乳だ。何とかかんとかジンジャーミルク
・部屋の隅あたまを寄せてもよもよと蛙の胸の心臓のごと
・その眼鏡、痛み伴う眼鏡ですか裸眼のほうがさみしいですか
・慎重に言葉を選んで解く人にはだしのゲンの眉を思った
・くすくすと声が聞こえる。あなた今鳥獣戯画を思ったでしょ
・今日は二度、内藤剛志に似ていると思いかけたがそうでもなくて
(なぜBLにしたがるのか……)
・力説をしようとすればやや声が上ずる君のくせが好きだよ
・「最後の……」という言葉には川底に沈むバイクの悲しみがある
・茹でてから焼くのだろうかだだ茶豆 だだ漏れさせている我が歌よ
・繊細な店員さんは直感し「差し湯」と聞いて身もだえている
・こうやってこだまを貰いこだまになる。それが望みでひかりであった
・地下鉄のプラットフォームに落ちる汗 鳩サブレーを余分に提げて
・救命胴衣の説明をする表情はガラスの鉢の金魚のようだ
・椅子の上、雲の上ではなく旅の体に眠る寝汗をかいて
・はじめてのミンミンゼミの声を聞く電車のドアが左右に開いて
・「歓迎」と掲げて待っていたはずの君を背中に感じてしまう
・壁を背に立ってた人が徐に近づいて来て今日が始まる
・観覧車 夏の空から降りて来て妄想誘う不埒な設備
・追及の視線はゆるく錯綜す ナシゴレンだよチャーハンじゃない
・銀色の中澤系の歌集から中澤系が起きるシステム
・思い出が語られるときロの字型の中心線は引き寄せられる
・目力を感じる人に伝来の種託すごと『うたつかい』渡す
・理解できないけど下がらないことでここにおります感謝、献杯
・セキウチと読んでいるほど無知なまま列に加わる関内エリア
・「足の人」の足を拝見しなくてもチーズをかなり独り占めする
・(吹きすさぶ北風の中「マティーニは待ってぃにー」とは言えぬ流石に)
(おめでたい名前の町は要注意)
・冒険の夏といっても酔ってても客引きをする店は行かない
・パチンコ屋に見紛うほどのサウナ屋へ入ればそこは森の静けさ
・おっさんがばさばさ身体拭きまくりパタパタタオル畳むスタッフ
・おっさんやおっさんやなと心中に唱えて続けて笑ってしまう
・(SFのコールドスリープシステムを想像してたなんて言えない)
・はなせずにいるケータイを胸の上に置いたまんまでねむってしまう
・さやさやと舌に拡がる洞窟の水色をした明治トローチ
・あさってのための靴下眠らせて鞄と僕はまだ起きている
・屋根の上の室外機またこの家をつまりは僕が家を震わす
・地蔵盆のカセットテープの御詠歌を遠のかせてる夏風邪の耳
・体温計幾度もはさむ。生焼けのままでケーキが焼けないように
・適当な宿が見つからないでいる鳥なら枝があればいいのに
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