毎日詠 | 短歌手控え

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・地獄へと墜ちないために床はある。観音さまと目を合わせない

・訪ねても訪ねてもいえ本当は訪ねてませんなんでもないです

・微笑みのような発芽を見てみたい誰かのなかに私のなかに

・人間の形に生まれねぎらいを得られぬ肩に預かる痛み

・終われずに床に投げ出し新聞に包む身体と馴れ合うこころ

・何気なく置いたハサミに睨まれるハサミの目玉ハサミの言葉

・歯を磨き受け止めようとする時に奥歯のかぶせ外れてしまう

・寝付けずに予定の多さ際立てば心臓の場所果てない気分

・まどろみに数学の授業受けているもう解けなくてよくてさみしい

・どん引きを食らう恐れを抱きつつもやしのはなしばかりしている

・春の日の光の粒が音もなく背をおすようなやさしさがある

・鳴く鳥の喉のふるえを想うごと記憶の声を文字に重ねて

・部屋の中イコール脳の状態で脱ぎっぱなしを積み上げたまま

・歩いたらどれほど靴擦れするだろう金星木星月の間を

・頑張れる気がしてきたら眠くなるちゃんとやりますちゃんとちゃん……や……

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