毎日詠 | 短歌手控え

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・うつむいてぼんやりしてた扇風機まわしてやるとうるさく消した

・バンテリン首から肩へ背中へとぬれば自分はアザラシと知る

・シーグラスみたいな月が輝いてみんな小さくされてしまうよ

・草原のわたしに隠れ場所はなく毛並みに戦ぐ世界をのせる

・この世には伝わることがどれほどにあるのだろうか　満ちてゆく月

・本当のことが聞きたい本当のことを聞いても変わらないのに

・オレンジの巡りのうちに出会いたい時おり歌を歌ったりして

・怪しげな店がオープンしたというシャツから胡散臭いおじさん

・芋掘りのタイミングなど尋ねられ土に埋もれる赤を思った

・門を乗り越えても鍵をこわしてもドアのなかには何もないこと

・好き過ぎる堂々巡り。虚空から虚無へと向かう電車に乗って

・思ってるぐらいに思ってくれるのはコーヒーウォッカだけな気がする

・片端から尋ねることが分からない人の両手をせめる買い物

・目の前の仕事がたくさんあるのだから、それだけをしていれば、幸せ、なはず

・悪い草、悪い草だよ引っこ抜くのを躊躇うほどだ軍手ごしでも

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