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2024/04/19

独りよがりな連作

数本の枕カバーに付着するささやかな毛の旅行計画

感動が説教臭い形して散るがいとしく寝てしまうなり

夢のこと話せなかった。ドロップのようには溶かせられない秘密

しくしくとひらいた傘を切り裂いて銀の夜空に出会えるか賭け

小松菜の砂は兄さん。挟まれて無駄に運ばれおろおろしてる

こんなのも一回見たら十分な落書き以下の歌かな ティッシュ

198円切り出しカステラは三重から泣いてやってきました

ジャックと俺は一生懸命考えてモヤシはビックビジネスとする

バカなこと言い張れば春。うす赤いスイートピーの蔓のぐるぐる

ぐるぐるは光の戦士のファイティングポーズの原型だったと思う

ブラインドの中に閉じ込められている鳥を無視してガサッと下ろす

一枚のガラスと羽の向こうにはでんぐり返りしてるお日様

ひときわに切実な今日ついにあの金切り声は切り始めてる

古新聞(しかも昭和の)散乱す ボロ靴履いて行く先々は

雲かかる公孫樹は語るやや早くあなたの街は暮れることなど 

一番にドッチボールで狙われた子が逃げ込んで眠る肉球

四足のまくばり方を参考にできないものか色々なこと

少々は歌詞の浮力を信じてもよいかと思う 牛乳パック

気をつけて(火をつけて)また会える火をかなしみにしてお待ちしてます

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2011/12/04 その他 Trackback() Comment(0)

「普通」とはなんだろう。もはや「普通」が分からない。世間は実りの季節だとか

日本の産毛が過敏になっていく青い蜜柑のならぶ季節は

ありがちな感傷だろうありがちなその感傷と靴は限界

青いこの蜜柑が好きか。仮にもしそれが蜜柑でなくても好きだ

開いている。無数の穴が有線のちゃらい曲さえ付け入る隙が

しまわれてしまうのだろう。一方の現実として生きているのに

夕暮れのガードレールの歪みふかくほのかな熱を滞らせて

自転車の銀を冷たく触れた手で明日も明後日もごはんを食べなくてはいけない

潜んでる。時に焼かれた魚の目になったりもしてテレビやチョコに



「日本の~」の歌は田中ましろさんが発行されているうたらば『みのり』の佳作として選んでいただきました。ありがとうございます。ましろさんのセンスと情熱のもと、他の方々の短歌がまぶしく輝くたいへん美しい冊子です。リンク先、PDFからもご覧になれます。

2011/11/22 その他 Trackback() Comment(0)

日曜日は小慣れなくてその辺をぐるっと周ったら暮れる

雨の日は影のない日だ。和菓子屋のワッフルを買ってほどけてみよう

カスタードクリームひかる 十年の先を明るく照らせないほど

独りでそれを食ってしまった五つ入りパックを独りで食ってしまった

雨音に力を脱いで目を瞑るやるべき事はやるべきなのに

虚脱感あふれてゆけば出会うのだ体温計でズルした我に

あの人の空のことなど考えて安い仕様の天井を見る

自分へと送信すればすぐさまに受信しすぎて秋は来にけり

亡霊として暮らしてる。頭皮から逃げ出した毛を拾ったりして

アラームに恥をかかせるまどろみの電気羊にバァーと鳴かれて

障子から滲むうすぼんやりの秋 だまりこくって聞き入るしばし

ひさかたのひかりに白くうかんでるあなたの息をとりだして胸の風船ふくらます。さすがに浮かばないけれど張った痛みもうれしくて赤く深く青くまあるくおだやかに肺の稜線転がって色や姿を残すから指ですくって描いてく。思うようにきれいに描こう(思うって何)ほんとうのように描こうか(ほんとう、って)違う、違う。僕は何にも見ていない。実に何にも知らなくて知ろうとさえもしてなくていつのまにやら日が落ちて風船はもう見えないのです 

憧れと恐れのうちに描いてた君は贋作。君は生きている




「憧れと~」の歌は天鈿女聖さんが運営されているUstreamを使った歌会「歌会たかまがはら」(2011.11/3テーマ「絵」)において、嵯野みどりはさんに選んでいただきました。ありがとうございました。

2011/11/11 その他 Trackback() Comment(0)

去年の記憶と混線した朝

ぼんやりとしてしくじった棚の上に蜜柑はあってきつく黄を見る


過剰という言葉の淵に篝火は揺らめいていた手をのべ掴む


自らの或いは人の音のない言葉の爪が刺さる剥かれる


湿り気を帯びて素直なダンボールたたむ季節の秋は来にけり


苛立ちをぶつけられても嬉しいと思えるほどに病気だったら


雑巾のような空には裂けそうな赤い気持ちの鵯の声


原付の無謀な右折 あんなふうに吹聴されているかも知れず


心臓が痛いくらいに考えて分からないまま毛を拾ってる


赤になり黄色になってまた赤に 取り残される大交差点


待つという選択(たとえ無意味でも)オレンジ色はひと冬越せる

2011/11/06 その他 Trackback() Comment(0)

勝手な連作

見えなくて聞いても遠く存在を責める産毛をもわっとさせて


あ、これはと心は躍る。飲み干したマグカップ冷めるほどの時間


真っすぐな言葉が欲しい。水のような小鳥のような光を放つ


分からない苦しみよりも感じないことがこわいと強がってみる


吸うという行為の他にない口の生き物を待つ匙咲きの花


カロテンとビタミンAの関係の優しくはない君と優しさ


甘いもの欲しくなるのは果物からビタミンを摂る本能らしい


生きること不思議に思う洗面所 鏡自体がくたびれている


やけくそに太鼓叩いて呼びたいよ。来たらそそくさ隠れるけれど


パイスープ食べるの苦手。そんなこと気にするないや気になりますね


いかんいかん弱気はいかん。唐突に筋肉質な午前二時過ぎ


弱さとか持ち合わさないことなどをひけらかさない約束を、す、し、


王族と奴婢よりきっと深刻な溝かと思う毛を拾う夜


同い年の人をニュースで見た後の湯呑みのお茶のぬるい食道

2011/11/05 その他 Trackback() Comment(0)

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